漢方と食事について(科学の目からの解説)

<漢方の陽性品食・陰性食品の概念>


①陰性食品とは身体を冷やす食事です。


陰性食品は果物、生野菜、青汁などの生もの一般、及び氷、アイスクリーム、砂糖、水分過剰、無塩、植物性脂肪などです。


②陽性食品とは身体を温める食事です。


陽性食品とは加熱された温野菜、塩の効いた食品、太陽で乾かした物、重しを掛けた物、貯蔵日数を経た物、動物性食品などです。



<科学的に見た陰性食品と陽性食品>



1)陰性食は主にカリウムと水分量が多い食品と甘いものです。


<カリウムについて>
野菜全般に多く含まれます。中枢性交感神経・腎の交感神経の活動を抑制しナトリウム利尿を促し血管拡張させます。細胞内ではNa-K ATPase活性が増大し血管平滑筋が拡張します。
(新 食品栄養科学シリーズ 基礎栄養学 第2版 p107)
これにより体内の熱を発散し、冷えてしまいます。
またナトリウムはカリウムと電気的に補完する関係のため、ナトリウムが少ない時はカリウムが相対的に多くなります。

<水分について>
体内に取り込まれる時と排泄される時に身体から熱を奪っていくため、身体の総熱量が減少し冷えていくことになります。

<甘いもの(炭水化物)について>
国民健康・栄養調査から現代日本人はビタミンB1の潜在的欠乏症が認められています。
またマグネシウムについても成人では摂取推奨量を下回っています。
しかし甘いもの(炭水化物)からエネルギーを作り出すためにはマグネシウム、ビタミンB1等が必要不可欠になるため、欠乏した食品(精製された白砂糖や白米・精製した白い小麦粉)の摂取を続けると解糖系だけ働き(2ATP)、電子伝達系(36ATP)まで行き着きませんので、本来出来る38ATPが2ATPしかでき無いため、エネルギー産生能力の低下により冷えを生じます。

また人間の基礎代謝は主にβ酸化によってまかなわれていますが、甘いもの(炭水化物)を摂取した場合は血糖上昇によるインスリン分泌から脂肪合成の過程が進み、脂肪合成の中間代謝物でマロニルCoAができβ酸化を抑制してしまい基礎代謝が落ちます。
グルコース1分子からのATPは38分子ですが脂肪酸であるパルミチン酸1分子がβ酸化された場合のATPは130分子となります。炭水化物摂取によりβ酸化が抑制される場合は産生されるATP量は減少し、更にビタミンB1不足によりは電子伝達系が動かない状態になれば2ATPしか産生されませんので、両者の差はもっと開くことになります。

更に果物やシロップに含まれる果糖は細胞毒性があるため、肝臓で吸収されグルコースよりも速やかに代謝されることから血糖値は上がりません。しかし中性脂肪が速やかに合成されるため、やはりβ酸化が抑制され、基礎代謝の低下から体温低下が生じます。果物では柿・ブドウ・バナナは特に注意が必要です。

2)陽性食は主にナトリウムが多く、水分が少ない食品です。


<ナトリウムについて>
ナトリウム負荷により交換神経緊張が生じることで血圧が上昇し、体温上昇につながります。

動物性食品、特に肉について
肉類に多く含まれるカルニチンが脂肪酸アシルCoAをミトコンドリア内膜に輸送し、β酸化を促して身体の熱量を高めます。カルニチンはヤギ・羊・牛肉に多く含まれております。(乳製品内には少ないようです)

<経験と科学の一致>


1500年と言う長い年月をかけて"ニンゲン"そのものを診てきた漢方では、科学以前より培われた客観的な眼で身体に最も密接に関係する食品というものの性質を見極めていたものと考えられます。
果物を食べると冷えるとか甘いものを食べると冷える、太るといったことの一端が言い伝えではなく普遍的な科学として説明できるようになって来ました。
科学がもっと進歩することで漢方の知恵が科学的に解明出来るようになれば、人々の生活により良く役立てれるものになると考えております。



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